フードスタイリスト、フードコンサルタントの河合真由子です。
先日、撮影した自社サイト用の新規ビジュアル。今日はその中からスパイスカレーのフードスタイリングのバックストーリーをご紹介します。真俯瞰で撮影する場合のフードスタイリングと盛り付けのポイントもあわせてご紹介したいと思います。
真俯瞰とは、被写体を真上から撮影するカメラアングルのことをいいます。
カメラアングルごとに見える印象の違いにあわせ、フードスタイリングも意識的に変えています。
真俯瞰は、料理の情報や食卓全体の雰囲気が伝わりやすいカメラアングルです。
そのため、フードスタイリングにおいても以下の点に注意しておこなっています。
1)シンメトリーに配置する
シンメトリーとは、対称ということです。真上から眺めるため、被写体が不規則に羅列されているとごちゃごちゃしてみえ、伝えたい情報が伝わりにくくなります。
2)規則性をもった配置にする
1)と同様ですが、同じ形のものを連続的に並べたり、一列に並べるなど、規則性をもった配置にすると全体が整理されスッキリしてみやすくなります。結果的に伝えたいメッセージやイメージを効果的に伝えることができます。
3)高低差を大きくつけない
真上から撮影するため、高低差を大きくつけても、実際には伝わりにくいです。また、余計な影ができてしまい、被写体が見えにくくなることもあります。
真上から見る場合、迫力やシズル感は伝わらないため、むしろ、被写体の情報をきちんと整理整頓して、魅せたい部分を効果的に魅せることに集中したほうが、意図に沿った写真が撮れます。
では、真俯瞰の際の料理の盛り付けはどうでしょうか?
料理の盛り付けも、フードスタイリング同様に、規則性をもって、高低差を少なく盛り付けたほうが美しく見えます。
変に高低差をつけたり、ダイナミックな盛り付けをしても、真上からみても、正直わからないどころか、料理の全体像がつかみにくく、何の料理なのかが伝わらなくなってしまいます。
料理の全体像が文字通り俯瞰してみえるカメラアングルですので、料理にでてくる食材やスパイス、そしてお鍋の中にあるソースなどを規則的にお皿に配置したほうが、ひと目みただけでその料理の情報がはいってきます。
もう一点、食材の情報をひと目みただけで正確に伝えるには、盛り付ける側がその特徴を把握しておくことも大切になります。
例えば、ぶなしめじが出てきたときに、私達はぶなしめじのどこを見て、それがぶなしめじだと判断しているのでしょうか?きのこのかさ(頭)の部分だけみえていても、正直、それが何なのかよくわからないですよね?それよりもきのこのかさとそれにつづく下の軸の箇所を一緒に目にしたときにはじめてぶなしめじと認識することができます。
そうすると、真俯瞰の盛り付けの際には、ぶなしめじは縦に垂直に盛り付けてしまうと、真上からみたときに茶色い丸い粒になってしまい、何がなんだかわからなくなります。
同様にりんごなら赤い皮が見えるとりんごと判断しやすかったり、フランスパンなら茶色い部分と白く気泡がはいった部分の両方がみえてはじめてフランスパンと判断しやすかったりします。
料理を盛り付ける際に、事前にその食材の特徴をしっかり見て、どこが一番の見せ場なのかを把握した上で、さらにカメラアングルごとの見え方の特徴を踏まえておこなうと、より効果的な盛り付けができます。
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