フードスタイリスト、フードコンサルタントの河合真由子です。 弊社は、「商品、サービスの強みを発掘し、ユーザー目線で食べたい、買いたいを伝える」ことをモットーに 新規事業立ち上げのお手伝いや、販促支援を行っております。 その中でも、売れるフードビジュアルづくりにおいては、個人事業主時代から含めますと、かれこれ10年のキャリアをもっています。 「売れるフードビジュアルの法則」では、企業の広報や営業企画など販促に関わる方に対し、発注者目線で知っておきたい写真や盛り付け、またスタイリングの知識についてまとめています。
スタイリングによく出てくる布の意味とは?
おしゃれなテーブルのシーンによく出てくる布。特にここ数年は薄手のリネンの布がクシャッとしたものが添えてある写真をよく目にしますが、料理写真における布の役割を正確に理解していますか?
布があるのとないのとでは印象にどれだけ違いがでるのか、またひとえに布といっても、どんなものがありどういう使い方をすると効果的なのかについて説明をします。
布のある、なしで変わる印象
同じようなスタイリングをした写真が2枚あります。
左側は天板にマグカップと花瓶、そしてフルーツが転がった写真。
右側はそれに布を足した写真です。
この写真は、私、河合真由子がスタイリングをし、撮影をしたものです。
最初に、左側のスタイリングをし、撮影をしました。ただ、撮った写真をみたときに、全体的に硬い印象であると感じました。写真のトーン自体が全体的に重いということもありますが、どこかに抜けるような柔らかさがほしく、布を一枚足して撮影したのが右側の写真です。
布が一枚あることで全体的な印象がやわらぎ、奥行きも広がった感がします。一枚布があるだけで、写真全体にニュアンスがつき、独特の雰囲気を感じられる写真となりました。
布の選び方
布はなんでもあればいいというわけではありません。色、柄も印象を左右する大きな要素ですが、何よりも生地感といって生地の質感が意外と印象を操作することをご存知でしょうか?
肉眼でみて、質のよさそうなぶあついリネンの生地は、見るからに品があって、そこにある商品の品の良さや質のよさ、そしてみえないこだわりを予感させてくれます。
洗いざらしのアンティークのコットン生地の布は、素朴さやどこか懐かしさをかんじさせ、料理のもつ素朴さとリンクして、ほっこりしたおうち時間を感じさせてくれるのに一役買っています。
布の役割と選び方を理解することで、撮影現場においても的確な布の差し引きができ、より伝えたいメッセージにあわせたフードビジュアルがつくれるとおもいます。