2021.5.16
NEWS / 売れる料理撮影の法則
フードスタイリストが考えるフードスタイリングを行う上で必要な3つの要素
フードスタイリスト、フードコンサルタントの河合真由子です。フードスタイリストとして活動をはじめ今年で10年目になります。普段は広告を中心にカタログ、WEB、パッケージ、リーフレットをメインに料理撮影のご依頼を承っています。今日は、日頃、企業様の販促支援をおこなう上で、フードスタイリストやフードスタイリングに求められる要素について私自身の考えをご紹介したいとおもいます。
フードスタイリストとは何をする人か?
フードスタイリストという肩書は、ここ3〜4年で急激に認知度があがっている職業です。(目下、放映されている某TVドラマのキャストも人気フードスタイリストの設定になっていますね。)フードスタイリスト、フードコーディネーター、料理家、料理研究家等、料理に携わる人の肩書はいろいろありますが、その中でフードスタイリストとはどういう仕事をする人なのでしょうか?
まず、フードスタイリストとは、一般的に「スタイリング」をメインに活動をする人を指します。
対して、料理家、料理研究家は、「料理」をメインに活動する人を指します。料理レシピを考えたり、料理をつくったり、料理や食材についての監修をすることをメインとしています。
ただ、これは一般的なお話で、実際には、料理家でも、ご自分でレシピ考案〜スタイリング、撮影までこなしてしまう方もいらっしゃいますし、スタイリストといえどもレシピ開発も行う方もいらっしゃいます。
ですので、発注するときにその人がどういう業務を行っている人なのかを確認する必要があります。
私、河合真由子は、フードスタイリストという肩書ですが、一人でレシピ開発、料理制作、フードスタイリングができます。
(ご参考)
フードスタイリングとは具体的に何をするのか?
スタイリングは大きく分けて2種類あります。
1つ目はお皿の中をスタイリングすること。盛り付けも含めた、メインの料理をどう魅力的に魅せるか、はたまた広告であれば商品の持ち味をいかしてユーザーに対しどう魅力的に演出するかを考え、料理にあわせた添え物や、料理につかう食材を色、形、味付けなどに対し提案をしたりバランスを整えたりします。
2つ目はお皿の外のスタイリングをすることです。こちらのほうが一般的によく知られているとおもいますが、いわゆるテーブルコーディネートと呼ばれる作業です。料理にあわせた食器を選んだり、カトラリーや、テーブルクロス、また、食卓に並べるスパイスボトルや、英字新聞、観葉植物など、料理に絡めた想定するシーンにあわせて食卓全体をコーディネートします。テーブルの板目や、椅子といった少し大掛かりなものまで一緒にコーディネートすることもあります。
フードスタイリングに必要な要素① 料理のスキルと知識
フードスタイリングには、料理のスキルと知識が必須です。その理由は、上記のとおりフードスタイリングには、お皿の外のテーブルコーディネートだけでなく、お皿の中のスタイリングも求められるからです。
また、お皿の外のテーブルコーディネートだけをする場合でも、料理の知識がないと料理を魅力的に魅せる上で困難な場合があります。
例えば、筍をメインとした料理の添え物に、菊花を提案したらかなり的はずれな提案です。旬の筍には、木の芽をあわせるのが一般的です。
また、お肉や、パンなどの断面をみせたいときに、包丁のテクニックがなっていないと、写真でみたときにきざきざした包丁の跡がめだってしまいせっかくの美しい食材も台無しです。
料理のスキルと知識は、もちろん保有する資格や卒業した学校などで推し量ることができますが、一番は、毎日どれぐらい料理をしてきたかが大事ではないでしょうか?
その人がどれだけ料理と携わってきたか?はたまた食と真剣に向き合ってきたか?その経験値が結局大切になってきます。
フードスタイリングに必要な要素② 生活カレンダーが頭にはいっているか?
食は、私達の生活に密着しているもの。おいしいメニューも、新しい生活様式を絡めた食の提案も日々の生活の中から生まれ出るものであると認識しています。であるならば、私達の日々の行動パターンがわかる生活カレンダーが頭にはいっていないと、次の食の提案はでてきません。
クリスマス、お正月、ひな祭り、バレンタインといった節句や行事だけでなく、何月頃になると冷たい麺が食べたくなるのか?新生活への準備はいつぐらいから始まるのか?など人の行動様式に強い興味を持ち、また、自分自身が一生活者として世の中の動きに敏感になり、また季節の移り変わりや気候の変化に敏感であることが何よりも大切です。
データも大切ですが、自分自身が何よりもそこに強く共感していないと、広く共感されるフードスタイリングはできないと考えます。
(ご参考)
販促カレンダー
※一般的には販促カレンダーといわれるものですが、私、河合真由子は生活カレンダーと読んでいます。私自身は、新卒で入社した大手流通会社で一年を52週に分けて販促計画をたてる52週MDという考えを徹底的に叩き込まれ、実際にインテリアの売り場づくりをしていました。(MDもでき、VMDも頭に入っているのはすべてこのときの経験が基礎となっています。)
人に興味を持ち、どんなときにどんなものを人が欲するのか、興味をもつのか?を蓄積されたデータとともに、実際に売り場にたって生活者目線で観察してきたことがフードスタイリングの現場においてもいかされています。
フードスタイリングに必要な要素③ 企画力
フードスタイリングに必要な要素、最後は企画力です。企画力というと、マーケター要素が強くなりますが、実際には、フードスタイリングの場面でも提案することが求められています。
その際に、ポイントとなるのが、「客観的な目線」と「ユーザー目線」の両方を持ち合わせているかだと考えます。
フードスタイリストになる人は、どちらかというと自分が好きで、仕事をしている人が大半です。(料理ジャンルでSNS上でコンテンツを発信する人がこれだけいるなかで、無理やりやらされてこの仕事についている人は、いないのではないでしょうか?)
また、スタイリングは、どちらかというと感性に重きをおいた世界になり、定量化・定性化できない部分があることも事実です。
そうすると、どうしても個人の感覚や、得手・不得手が判断基準になりやすい傾向にあります。
けれども、なんとなくの判断でなんとなくのスタイリングでは、意図をもった写真や動画コンテンツをつくることができません。
よく、「イメージを形に」といわれますが、伝えたい意図を具現化するためのステップにおいて、なぜその選択をしたのか?きちんと客観性をもった答えがだせるスタイリストは数少ないと考えます。
客観性をもった答えを出すためには、嗜好傾向を標準化しイメージごとに分類していくことが大切だと思います。
そうすることにより、いきあたりばったりではなく、きちんと根拠をもった提案とスタイリングができ、発注者側もナレッジとして蓄積していくことができます。
また、それと同時にユーザ目線が大切なのは、スタイリングする本人が、商品やサービスに興味をもって向き合っているか?が問われます。一生活者として、商品やサービスに興味をもち、そのポテンシャルを引き出すことが、一般のユーザーに向けても魅力的にうつる提案につながるからです。
フードスタイリングは最終的には、ひと目みて、感覚的に、いい、素敵!と感じてもらえること、人々の記憶にとどまることが一つのゴールになりますが、そのゴールに至るプロセスもきちんとエビデンス化していくことで、より精度の高いフードスタイリングを行うことができると考えます。
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