フードスタイリスト、フードコンサルタントの河合真由子です。
改めまして新年あけましておめでとうございます。みなさんは今年のお正月はどのように過ごされましたか?お正月といえばおせち料理。近頃では、個食傾向にあり、1人分ずつのおせち料理をお重に詰めたり、またお重にわざわざ詰めなくてもお皿に好きなものだけ並べて提供するスタイルなど様々な提供スタイルがあります。
皆さんのお家ではどのようにおせち料理を召し上がられたでしょうか?
弊社では、毎年、おせち料理の盛り付けを新年のご挨拶として撮影しInstagramで公開しています。
今日は、2023年の弊社のおせち料理のビジュアルをご紹介しながら盛り付けのコツを解説していきたいとおもいます。
昨今、おせち料理の簡略化が進んでいます。
そもそもおせち料理というのは、お正月には、神様を迎え入れるため、火を使うような料理は慎む傾向に。つまり、お正月に台所に立たなくていいように、お正月に楽しむための保存の効く料理を作り置きするところからはじまっています。
ところが、昨今は、お正月でも料理はしますし、スーパーやコンビニもあいているため、食べるものに困ることもありません。そのため大量に作ることがかえって無駄になってしまいます。また、従来からのおせち料理のレシピでは保存がきくように、全体的に塩分、糖分が高めです。ところが、近年は健康・ダイエットを意識して、おせち料理を食べ控える人も多く、昔のようにお正月=伝統的なおせち料理という図式が成り立たなくなりました。その代わり、洋食や中華をアレンジしたおせち料理や、低糖質のおせち、また嚥下が困難な方のためのやわらかおせちやスイーツおせちなんてものもでてきており、まさにバラエティ豊かになっています。
そんな世相を反映して、おせち料理は、あえてお重に盛りつけず、食べたい分だけを一人分のお皿に盛り付けるワンプレートおせちというのもここ数年で一般的になってきました。
ワンプレートのおせち料理で一番のポイントは、お皿選びにあります。
いくらワンプレートで簡略化したといえ、お正月のお祝い感、特別感は欲しい物。そこで、素材には、白磁を選び、金の縁塗りがあり、かつ形は扇形という縁起のよい形を選びました。
磁器の器は、陶器の器と比較すると、ツヤ感があり、よそ行き感のある雰囲気があります。また、お祝い感のある金、銀といった普段は使わないような素材が使われているお皿を使うのもポイントです。
よそ行き感のあるお皿を選んだら、早速料理を盛り付けていきます。
今回は、特別感、よそ行き感のあるイメージに仕上げるため、わざとお皿の余白を生かした盛り付けにしています。
お皿にギュウギュウ詰めに料理が盛ってあると、なんだか下世話な印象になってしまうのがわかりますか?
ピックアップしたおせち料理を蓮根をお皿の中心におき、そこから反時計回りに、重ねるように盛り付け、中心に海老の旨煮をおき、黒豆松葉で全体を締めています。
黒は全体を締めてくれる色ですので、全体に彩りは華やかですが、この黒豆松葉があることで料理全体がピシッと整うのです。
一方、新年の食卓を飾るのに、テーブルコーディネートという視点から、塗りの盆にコンパクトに料理をまとめたスタイルも今年の新年のビジュアルとして撮影をしました。
お祝いの席では、料理の品数も増えれば、その分、食器の数も増えることになります。但し、全体のテーブルコーディネートを考えると食器の組み合わせなどで悩むことになり、もてなす側としてはその分頭の痛い所です。
そこで、手持ちの器に1枚塗りの盆を組み合わせるだけでスッキリとまとまるフードスタイリングを提案します。
1人分の料理を盆に盛り付けて、さらに雑煮を盛った椀を同じ盆にのせるだけで、スッキリとまとまりよく、でもセンスよくコーディネートができます。
お皿とお皿を重ねてコーディネートする場合、左に重心がくるように、雑煮のお椀は左に置きバランスをとります。
おせち料理は右側の空いているスペースに盛り付けをします。
紅白なますのような汁気がありまとまりが悪いものは蓋物の器にいれて小さくまとめる工夫が必要です。
また、おせち料理は、トレーにそのまま直置きすると、安っぽくなってしまうため、葉蘭をひいた上に、上下重なるようにして盛り付けて立体感を演出します。
難しそうに見える、おせち料理の盛り付けや器と器同士を重ねたフードコーディネートも、基本の原則を守り、盛り付けることで簡単に素敵な盛り付けやテーブルコーディネートをつくることができます。
ワンプレートの盛りつけのコツについては
こちらのサイトでも詳しく解説しております。
<いつものテーブルをカフェ風に!簡単「朝ごはんの盛りつけ術」2つ>
https://asajikan.jp/article/198904
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