フードスタイリスト、フードコンサルタントの河合真由子です。ここ数年、若者のアルコール離れが進んでいますが、特に、海外では、肉体的、精神的健康志向とあいまって、あえてお酒を飲まない、飲んでも少量しか飲まない「Sober Curious(ソバーキュリアス)」という文化が特にミレニアム世代の間で広がりつつあることもあり、ノンアルコールカクテル(モクテル)へのニーズが高まりつつあります。
弊社でも、実際に大手飲料メーカーさま向けにノンアルコールカクテルのレシピ開発をこれまで数回行っており、日本においてもその需要の高まりを実際に感じております。
ノンアルコールカクテルは見た目も華やかなことから、昼間のカフェでも少しよそいき感覚で楽しむことができるのでおすすめです。そこでノンアルコールドリンクのメニュー開発のコツについてご紹介したいとおもいます。
弊社で実際に行っているノンアルコールドリンクメニューの開発の実体験を元に、メニュー開発時に大切なポイントを下記のとおりまとめました。
1)利用シーンを想定する。
ドリンク単独で飲むのかまたは食事と一緒に楽しみたいのかは重要なポイントです。特に食事と一緒に楽しみたい場合は、ドリンク単独で癖や個性が強くなると、せっかくの食事が台無しになってしまいます。
また、オフシーンでリラックスした普段づかいのドリンクとしてのニーズなのか、またはオンシーンで、例えば女子会や、インスタにあげるためにちょっと華やかなドリンクとしてのニーズなのかにもよって、求められるドリンクの要素は変わってきます。
2)アルコール飲料に求められている要素を分析
上記1)を踏まえたうえで、アルコール飲料に求められている要素を分析します。
お酒を普段飲む人が、事情があってアルコールが飲めないときに飲用するのか、それとも普段あまりお酒は飲まないけれどもアルコール飲料のあるシーンを楽しみたいのか・・・という個別のバックグラウンドはありますが一般的にアルコール飲料には、爽快感や、刺激、切れ味、心地よさ、気分が軽くなるなどの、要素が求められています。アルコールは使わないけれども、そういった要素を入れることでノンアルコールでも、十分楽しんでいただけるシーンをつくることができます。
3)ベースのドリンク×食材×スパイス、ハーブの組み合わせ
実際のドリンクのメニュー開発においては、もともとあるカクテルなどのレシピをもとに、ノンアルコールの材料で置き換えていく方法が一番簡単です。ベースのドリンクに、フルーツや野菜などの食材、そしてそこにスパイスやハーブなどを組み合わせていくのが一般的です。
4)飲み口〜飲み終わりまでのプロセスにおいて美味しく飲める事を考える
最後に、アルコールドリンクにおいても同様のことが言えますが、飲み口〜飲み終わりまでのプロセスにおいて美味しく飲めることを考えて設計することも大切です。氷が溶けてきたときにどう味が変わるのか、飲み終わったあとにどういった余韻が残るか?などまで考えて最高の一杯をつくってみてください。
近年、レストランにいくと、コースと一緒にノンアルコールドリンクのペアリングコースをすすめられることがあります。
お店にもよりますがまれに、ドリンクの開発を凝りすぎた結果、味にまとまりがなかったり、味がぼやけていて、正直判断がつかないようなドリンクを口にしたことがあります。また、お料理と一緒に楽しみたいのに、料理との距離感を感じることもまれにあります。
お客様が、何を求めてノンアルコールドリンクを注文するのか?を考え、利用シーンにあわせてメニュー開発ができるといいとおもいます。
昼間のカフェでノンアルコールドリンクを導入するならば、食事と一緒にいただくランチタイムでは極力オペレーションが簡単なものを。季節のフルーツとミントにトニックウォーターをあわせたオリジナルのモヒートなどがアルコールを飲まない女性でもわかりやすくておすすめです。
また、ランチタイム以外では単体で見栄えのするボリューム感のあるメニューがおすすめです。ドリンク一杯の単価を引き上げることができ、見た目も映えるものであれば写真にとって拡散もされやすいです。
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弊社で開発したノンアルコールドリンクのレシピは下記より御覧ください。(家庭用のレシピです。)
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