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2019-09-06

食を通じたコミュニケーションのカタチ

フードスタイリスト、フードコンサルタントの河合真由子です。
7月のお話になってしまいますが、表参道ヒルズにオープンしたばかりのウェルフード&カフェ
Imperfetさんへお邪魔してきました。

きょうはこのImperfetさんの紹介とともに、これからの時代に求められる食をつうじたコミュニケーションのあり方についてちょっと考えてみたいとおもいます。

ウェルフード&カフェImperfectとは?

Imperfectは、表参道ヒルズ1Fにオープンした、ナッツ、スパイス、カカオ、コーヒーなどの食材の販売とカフェ機能のある複合型ショップです。
加工食品の販売を通じて、世界の食と農業を取り巻く社会問題を解決するというミッションを持っており、良質かつ、可能性をもった食材でありながらも、オーガニック認証などの認証も得られないようなスモールバッチな生産者から原材料を購買し加工食品として販売することにより、応援するという仕組みをつくっています。

リアルな売り場でのフードコミュニケーションの可能性


今回、Imperfectの店内で感じたのは、お客さんがお店のスピリットや店員さん、また商品と触れ合う機会の多さです。
表参道の入り口を入って右手には、象徴的なディスプレイが飾られていました。
これらのディスプレイは、実際に支援活動をおこなっているアフリカなどの地域を象徴するような小物を展示しています。
高さをだし、また、大胆な色使い、そして大きなプロップスを展示することで、遠くからでも目を引くアイキャッチ的な役目を果たしています。単なるおしゃれなディスプレイでなく、ブランドの世界観を象徴しており、一体、なんの店なんだろう?とちょっとワクワクする感じもしますね。
植物も効果的に配置しており、ナチュラルテイストの世界観ともマッチします。

また店内入って左手には、チョコレートバークを販売するコーナーが。
こちらのコーナーでは、チョコレートにトッピングするアイテムをその場で選び、その場でオリジナルのチョコレートバークをつくってもらうことができます。
目の前でつくってもらえるライブ感とともに、トッピングを選んでつくってもらうプロセス自体が自然とコミュニケーションが発生する仕組みになっています。

また、店内右手奥のアイスクリームコーナーでは、オーダーしてアイスを受け取ったら、横にあるトッピングコーナーでお好きなナッツやチョコレートなどのアイテムをトッピングすることができます。
ただ、オーダーしておわりではなく、そこでもうひとひねり、食を楽しむプロセスがあること。体験を通じて、少しだけ社会の食と農業に関する問題について知るきっかけとなる。自分の今日の消費行動が、世の中のためになっている。ちょっとだけいいことをした気分で軽やかな気分で店をあとにすることができる。
なんとなくそんなストーリーが思い浮かびます。

リアルな店舗だからできる、体験型のショップのあり方についてとても参考になる事例だとおもいます。

広告にみるフードコミュニケーションのトレンドとリアル店舗の位置づけ

食をつうじたコミュニケーションが重視される傾向にあるというのは、インスタグラムのおいしそうな料理写真から人気に火がついてインスタグラマーとして活躍する人材が多く排出されていることからもなんとなく予測がつくとおもいますが、実は広告の世界でもそのトレンドは顕著です。
例えばパスタ。一昔前までは、1mmのみだれもなくパスタがきれいに一つの流れのようにくるくるとフォークに巻かれ、盛り付けてあるのが普通でした。
それが、よりリアルな世界を求められるようになり、普段のパスタを食べるようなスタイルにちかい、多少のパスタのうねりや乱れも許容な段階に。共感を求められる世の中のトレンドもあいまって、だんだんこの盛り付けがスタンダードになっていきます。
そしてここ数年で、さらにテーブルの上にチーズが飛び散っていたり、食べている人の手がはいっていたり、とよりリアルな食べるシーンを想起させるようなスタイルが求められています。
なんとなく、きれい、うつくしい、完璧な世界から、よりリアルで親近感のわく、共感のよぶスタイルへ。
そこには、広告をつくる側の、食を通じて届けたいメッセージの発信や、ライフスタイルの提案などなにかしらの意図を感じるようになってきたというのが大きいとおもいます。
(無論、昔のスタイルがなにも意図せずつくられていたわけではないかとおもいますが。)
食をつうじてコミュニケーションを図るというスタイルは、広告の世界でもリアルなショップでも、今とても求められていることであると感じます。

そしてそんな広告媒体に惹きつけられ、実際に店舗を訪れるお客様。リアルな店舗では、消費者の購買決定プロセスにおいて感情に訴えかけるフェーズが多いのが事実です。そして、感情を揺さぶられるほど、買いたくなるのも事実。
オンラインでも気軽に商品が手に入る時代だからこそ、リアルな店舗では、消費者の好奇心をそそり、忘れられないような体験や経験ができるような、感情を揺り動かすしかけが求められているのではないかとおもいます。もちろんそこには1本のゆるぎない軸(=コンセプト)が大切であることはいわずもがなです。

<参考>
imperfect
https://imperfect-dowell.com/

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