フードコンサルタントの河合真由子です。
コロナ禍で失速していたインバウンド事業も、ここ1年程で急速に復活しており、外国人観光客が増加し、さらに円安もあり日本の観光地の人気が高まっています。
そこで今日は、飲食店やホテルなどの飲食施設における多言語メニュー取り入れ方法のコツについて、具体的につかえるツールなどとあわせてご紹介したいと思います。
コロナ禍があけ、海外からの観光客は年々増える一方です。
都内でも、たくさんの海外からの観光客をみることが日常的となり、円安を追い風として観光地としての日本の人気もうなぎのぼりといったところです。
少し前までは、観光客といえば、特定のガイドブックやグルメサイトなどに掲載されているお店を中心にまわることが普通でしたが、ここ最近は、誰も知らない自分だけのお気にりを発掘する傾向にあり、ガイドブックには掲載されていないような知る人ぞ知るといったお店にも海外からの観光客が来店する傾向にあるとのこと。
そこで、受け入れ側である飲食店も、多言語対応やハラール対応など対応が迫られています。では、具体的にどういった対応をしていかなければならないのでしょうか?
まずは、なんといってもメニュー表示には多言語対応が必須となります。
その際に気をつけたいのが、日本語のメニューをそのまま現地の言葉に訳さないことです。最近ではDeepLなどの翻訳精度の高い自動翻訳ツールが沢山ありますが、料理の場合そのまま訳してしまうと、現地の人からは全く理解のできない内容となってしまいます。
これは、私が中国にいた際に、いかにもな、自動翻訳されたメニューを数多く目にしてきたからですが、その中でも一番わかりやすかったのが、よく通っていたスムージーとサラダのお店のメニュー表示です。
メニュータイトルの下に、シンプルに、「cabbege, carrot , apple・・・」と記載されていました。主に使っている原材料の表示とともに、サラダならドレッシング名が記載されていたので、メニュー名の意味がわからなくても、なんとなく味の想像ができました。そうすると安心して注文することができます。
ヒトは、味の想像ができると安心して注文をします。(過去の食体験から味を想起しておいしい、おいしくない、はたまた、食べる、食べないを決めるためです。)
またもう1つは、メニュー表を文字で埋め尽くさないことです。
写真で見せたほうが、どういった料理なのか伝わりやすいからです。
もっと言えば、料理写真に、文字入れをしてこれは何なのか?を説明書きを
いれると、初見の観光客にも非常にわかりやすくなります。
外国人観光客も、かなり目(舌も)が肥えてきていますので、食べれればなんでもいいわけではなく、せっかくきたなら、ここでしか味わえないもの、できるだけヒトと被らないよい食体験をしたいとおもっています。また短い滞在期間でできるだけ沢山のものに見て触れたいという旅行者ならではのニーズもあります。そのため、ぱっとみて美味しそう!味の想像ができた上で、魅力的にみえるメニュー表や看板づくりというのがインバウンド需要を取り込むには大切です。
もう1つインバウンド需要を取り込む上で大切なのがアレルギー表示です。
また、アレルギーとまではいかないけれどもハラールやヴィーガンといった食に対して特定の制限を抱える方もいます。
そのため、前段で説明したとおり、メニューにどういった食材をつかっているのか、
食材を書き込むことはとても大切です。
中でもアレルギーにおいては、特に命にかかわることもあるため
文字表示よりも、絵などのマークで示したほうがより伝わりやすいとおもいます。
またアレルギーにおいては、よほどの大きな施設でない限り一般の飲食店では調理環境は完全分離ではないかとおもいます。その旨も一言メニューのどこかに記載しておくのがスムーズであり、あくまで最終的にはお客様の判断で食べる食べないを選択いただくように誘導するのが適切です。
東京都では、下記のとおり飲食店、飲食設備におけるインバウンド対策として無料のツールが配布されています。
先の述べた、メニューの多言語対応、またアレルギー表示用のマークなどは
むしろ配布されているものを使ったほうが、統一感がありわかりやすいかとおもいます。
また、飲食店における多言語での接客も想定し、簡単なトークスクリプトもあります。
個別店舗ごとにマニュアルをつくるとなるとかなり負担になりますが
こういったテンプレをうまく活用して、うまくインバウンド需要を取り込めむのが
おすすめです。
EAT TOKYO - 多言語メニュー作成支援ウェブサイト (東京都)
https://www.menu-tokyo.jp/menu/
本格的にインバウンド対策をするならこういった補助金を活用する方法もありますね。
インバウンド対応力強化支援補助金
https://www.tcvb.or.jp/jp/project/infra/welcome-foreigner/
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