2020.1.23
COLUMN / アトリエ日記
回遊性を重視したマルシェ型店舗〜kitchen & market
フードスタイリスト、フードコーディネーターの河合真由子です。
先週、出張で京都を訪れる機会がありました。せっかくなのでいくつか関西で気になるお店を巡りました。今日はその中でも、ずっといきたかった大阪にあるルクア大阪のkitchen & marketについてご紹介したいなとおもいます。
ルクア大阪とは?
ルクアは、2011年にJR大阪駅前に開業した商業施設。名称のLUCUA(ルクア)とは、
Lifestyle(ライフスタイル)+
Urban(都会の)+
Current(流行の)+
Axis(軸)の頭文字をとっており、「高感度で洗練されたライフスタイルを実現していただくためのステージを提供したい」という思いが込められているとのこと。
ターゲット層をファッションやトレンドに敏感な働く女性をメインとし、「日常生活における手の届く贅沢」「高感度で洗練されたライフスタイル」を提案。
“ここにしかない価値
”を提供することをコンセプトとしています。
大阪駅前といえば、ラグジュアリーブランドと最先端のトレンドを取り揃えた阪急うめだ本店というイメージが強いですが、もっとカジュアルにファッションを中心に、食・住も含めた目新しいライフスタイルを提案する商業施設が新たに誕生したということになります。(すでに10年経っていますが)
「買う」と「食べる」が混在した売り場づくり
(引用元https://www.hankyu-oasis.com/kitchenmarket/)
そのルクア大阪地下1Fに位置するkithcen & marketは、いわゆる商業施設の地下にある総合食品売場。但し、普通の食品売場とは違い、マルシェのようなつくりになっています。
フロアは大きく分けて6つのブースにわかれていますが、まず注目したいのは、「買う」と「食べる」が混在しているところ。
例えば、デリステーションでお気に入りのスープとデリを買ったら、すぐ近くのミート&イートスクエアで食べていくことができます。食後には、スイーツアットホームで新作のスイーツを購入してそのままオフィスに戻るといったランチタイムの使い方ができます。
また、メルカエリアでは、本格的なピザや生パスタを提供しているため、お買い物のついでにしっかりとした食事をとることもできます。
買うと食べるを混在させることで、食に触れたり、楽しむ時間が増え、結果的に客単価のUPにもつながると考えます。
発見とワクワクをリアルに楽しむkichen & market
また、NYのマルシェを彷彿させるような店舗レイアウトも特徴的です。
あえてジグザグにレイアウトされた通路と、マルシェのような高さのある陳列は、一見お買い物には不向きのようにも見えますが、逆にその
「迷路のような道筋」がワクワク感を刺激し、売り場の奥へと自然に足を運びたくなる導線になっています。
各エリアのところどころには、試食を楽しめるコーナーや、デリコーナーではル・クルーゼの鍋を売り場に配置し、鍋から直接スープを取り分けるなど、ライブ感のある演出でお買い物をより楽しくする仕掛けがあり参考にしたい要素がいっぱい。
通常のスーパーのような「目的買い」が主のお客様よりも、たまたまここにきて新しい食を発見したい、ここでしか手に入らない付加価値の高い食を手に入れたい人をターゲットにした店舗づくりともいえます。
ネットスーパーが普及している昨今では、リアルな店舗でのお買い物自体に「目的買い」以外の付加価値をつけることで店舗へと足を運びたくなるきっかけとなるのではないかと考えます。