Recipe of Life | フードスタイリスト、フードコーディネーター河合真由子 東京

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食品コンサルティング

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今一度見直したい!お弁当の製造と衛生管理のポイント

フードスタイリストの河合真由子です。

お弁当の製造と販売に関しては、実はいろいろなルールや制約など

気をつけなければならないことがあります。

家庭でつくるお弁当とはまた違う、商品としてお弁当をつくって

販売するにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

特に商品開発のポイントと、衛生管理についてポイントを絞って解説したいとおもいます。

 

 

暑いときには特に注意したいお弁当

 

10月に入り朝晩はやや冷え込むものの日中はまだまだ暑い日々が続きます。

特に近年は、年を追うごとに暑さが厳しくなってきていますが、気温が高いと必然的に菌の繁殖率も高くなり、食品を販売する上では特に注意が必要です。

 

 

お弁当の製造で特に気をつけたいポイント

お弁当は、多くの食材や料理を1つの容器に詰めます。そのため、特に温度管理には配慮が必要です。

大量調理施設衛生管理マニュアルによれば

原材料及び調理済み食品の温度管理において以下のような記述があります。

(3) 調理後直ちに提供される食品以外の食品は、食中毒菌の増殖を抑制するために、 10℃以下又は65℃以上で管理することが必要である。(別添3参照)

 ① 加熱調理後、食品を冷却する場合には、食中毒菌の発育至適温度帯(約20℃ ~50℃)の時間を可能な限り短くするため、冷却機を用いたり、清潔な場所で 衛生的な容器に小分けするなどして、30分以内に中心温度を20℃付近(又は 60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫すること。 この場合、冷却開始時刻、冷却終了時刻を記録すること。

つまり、加熱調理後、食中毒菌の発育至適温度帯(約20度〜50度)を以下に早く通過させることがポイントとなっています。

一般にお弁当の製造現場では、ご飯を詰めた状態で冷却機で素早く冷まします。

また、記載のとおり、実際に温度を計り、記録していくことも大切です。

温かいまま提供する場合を除き、提供まで30分以上あるなら提供まで10℃以下で保存することも記載されており、これもポイントになります。

すなわち、調理加工した食品は10℃以下または65℃以上の状態で保存することが大切です。

またこの温度管理は単品だけでなく、複数のおかずが混在するお弁当においては特に、加熱調理したものとレタスやポテトサラダといった冷たいままいただく料理が隣り合わせになる場合は特に注意が必要です。

 

 

 

まだまだある!温度管理以外にも気をつけたいポイント

 

温度管理以外にも製造において気をつけたいポイントはあります。

弊社が飲食業態向けにアドバイスをさせていただく上でよくお話するのが、以下、よくあるケースについてです。

・ゴム手袋はわざとどぎつい色をつかう。

→調理に関わる場合、手袋をつけるケースがほとんどといってもいいとおもいますが、その際に気をつけたいのが手袋の色です。

飲食業に従事した経験があまり長くない方ですと、イメージででしょうか?白や乳白色といった無難な色を発注される方がいらっしゃいます。

衛生面のためにつけている手袋も、時として異物混入の原因になる場合があります。そのため、万一混入した場合でもすぐに目視で確認できるようわざと目立つブルーや紫といった食品の色とは明らかに異なる色の手袋をつけるのが望ましいです。

・飲みかけのペットボトルを冷蔵庫に保管する。

→中食ではまずありませんが、外食店舗においては厨房でよくみる光景なのが、個人の口をつけたペットボトルを、食材を保管する冷蔵庫に入れているケース。
これは、絶対にNGです。
食中毒の原因菌となる黄色ブドウ球菌はヒトから感染します。ヒトが口をつけたペットボトルを、お客様に提供する食材を保管する冷蔵庫に保管することは、まさに自爆行為ともいえます。

・ダンボール箱ごと冷蔵庫、冷凍庫に食材を収納する

→ これも、絶対にNGです。

食材を梱包輸送してきたダンボール箱には様々な菌や場合によっては害虫(害虫の卵)などが付着している可能性大です。
必ず、ダンボール箱から中身を取り出し、中身を清潔な状態で保管しましょう。

いかがでしたか?

お弁当の製造において、温度管理はとても大切です。

できたてを味わうのとは異なり、冷めてから、時間が経ってもおいしく食べられることを考えて製造するお弁当だからこそ、

冷めても時間が経過しても安心して食べられるよう、日頃の衛生管理がキーポイントになることがおわかりいただけたかと思います。

<参考>

大量調理施設衛生管理マニュアル

(平成9年3月24日付け 衛食第85号別添)

(最終改正:平成28106日付け生食発10061号)

河合 真由子
Mayuko Kawai
フードスタイリスト / フードコンサルタント
岐阜県出身
大学卒業後、流通業界に就職。販促企画、VMDなどを経験。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。帰国後、フードコーディネーター養成スクールを経て独立。雑誌、CM、広告のスタイリング、フードコーディネート、飲食店へのメニュー提供、飲食コンサルティングを行う。
めざましTVのお仕事がきっかけで朝型のライフスタイルにめざめ、朝ごはんメニューの提案と朝の時間をもっとたのしみたい女子の朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催。
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