Recipe of Life | フードスタイリスト、フードコーディネーター河合真由子 東京

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食品コンサルティング

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アイスクリームの食品表示について

フードコンサルタントの河合真由子です。
先日、ハーゲンダッツから発売されている豆乳をつかったアイスが珍しかったので購入してみました。
ところで、アイスクリームについては食品表示に細かいルールがあるのをご存知でしょうか?
今日はハーゲンダッツの豆乳アイスクリームをご紹介しながら日本におけるアイスクリームの食品表示ルールについて
説明していきたいと思います。

ハーゲンダッツの植物性ミルクアイス「GREEN CRAFT」

ハーゲンダッツ植物性ミルクアイス

先日、スーパーを訪れたところ、目に止まったのがハーゲンダッツから5月23日に発売されたばかりの豆乳アイス。
同社の発表によれば、
GREEN CRAFTは、注目素材「植物性ミルク」をベースにしたからだ想いな植物性ミルクアイスシリーズ。
なかでも日本市場において馴染み深い豆乳に注目。従来のハーゲンダッツ商品らしい濃厚でクリーミーなおいしさを目指し、
クリーミーでコクのある豆乳を貴重とし、すっきりとした味わいの豆乳の2種類を加えてブレンド。
なめらかな口溶けや濃厚な味わいを実現するとともに、空気の含有量を低くして製造。
素材は、ハーゲンダッツのアイスクリームづくりの考え方である家庭のキッチンに置いてあるような
誰でも知っている素材を使うことにこだわったとのこと。

ラインナップは2種類あり、1つは、芳醇なマダガスカル産バニラ風味を堪能できる「豆乳バニラ」
そしてもう1つはエクアドル産カカオマスを使用したチョコレートアイスに、マカデミアナッツの食感と
香ばしさが加わった「豆乳チョコレート&マカデミア」。

実際に属してみると、生乳をつかったアイスクリームと比較するとやはり軽い口当たりにはなっていますが、
食べごたえはあるのに後味が軽いといった印象です。豆乳チョコレート&マカデミアはマカデミアナッツの食感のおかげもあり、
ボリューム感があり、豆乳臭さも気にならずにいただくことができました。


植物性ミルクアイスの食品表示はどうなる?

植物性ミルクアイス
さて、今回注目したいのは、この植物性ミルクアイスの食品表示です。
実際の商品をみると「氷菓」と記載があります。
イメージ的には氷菓というとシャーベットという印象が強いのですが、皆さんはいかがでしょうか?

植物性ミルクアイスの食品表示がなぜ氷菓になるのか?については、実はこんな規格があるからなのです。
公正取引委員会の認定を受けて、アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正取引競争規約(以下、「規約」という。)
が定められています。

概要をまとめると以下の表のとおりとなります。


<アイスクリーム類の表示規格>

(全国公正取引協議会連合会が定める「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正取引競争規約」に基づく。)

アイスクリーム類表示規定


そのうち、アイスクリーム類については、下記のとおり定めがあります。


「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正取引競争規約」第二条

アイスクリーム類とは食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規定に基づく乳及び乳製品の成分規格等に
関する省令(昭和26年厚生省令第52号) に適合するものをいう。

「乳及び乳製品の成分規格等に 関する省令」(昭和26年厚生省令第52号)第二条第21項

この省令において「アイスクリーム類」とは、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、
又は主要原料としたものを凍結させたものであつて、乳固形分三・〇%以上を含むもの(発酵乳を除く。)をいう。



今回のハーゲンダッツの植物性ミルクをつかったアイスクリームについては、
原材料名として、豆乳、米あめ、砂糖、卵黄、食塩、バニラ香料の記載がありました。

つまり、アイスクリーム類の定義である乳又はこれら原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを
凍結させたものであって乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く。)に該当しません。
そのため、氷菓という種類別名称になったことがわかります。

また、「規約」には、下記のとおりの禁止事項の定めもありました。

・ラクトアイスと氷菓には、「ミルク」「MILK」の文字を使ってはならない。

・風味原料由来の食用油脂を除いて、乳脂肪以外の食用油脂を使ったものに「アイスクリーム」と表示してはならない。


つまり、乳のかわりに植物性ミルクをつかってアイスクリームをつくろうとすると
種類別名称としては氷菓になるのだなということです。

また、製品や、広告などでアイスクリームとうたわないのもこのためと考えられます。
※ハーゲンダッツでは植物性ミルクアイスと記載しています。

個人的な見解としては、今後、牛乳以外の植物性ミルクがもっと普及すると考えられるため、
アイスクリームの概念も、変わってくるようにおもいます。
また植物性ミルクの品質も、現状のアイスクリームのようななめらかさや濃厚さに近づいていくのではないでしょうか。
その際に、氷菓という名称が果たして適切なのか?は議論としてあがってくるようにおもいます。


(参考)

アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正取引競争規約(全国公正取引協議会連合会)
乳及び乳製品の成分規格等に 関する省令(昭和26年厚生省令第52号)

ハーゲンダッツ GREEN CRAFT(グリーン クラフト) ミニカップ
『豆乳バニラ』『豆乳チョコレート&マカデミア』

https://www.haagen-dazs.co.jp/company/newsrelease/2023/0511.html


(ハーゲンダッツ ジャパン株式会社ニュースリリース)

一般社団法人日本乳業協会
https://nyukyou.jp/

一般社団法人日本アイスクリーム協会
https://www.icecream.or.jp/

(補足)
消費者庁によれば公正競争規約がある食品はアイスクリームを含めて全部で35規約ありました。

河合 真由子
Mayuko Kawai
フードスタイリスト / フードコンサルタント
岐阜県出身
大学卒業後、流通業界に就職。販促企画、VMDなどを経験。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。帰国後、フードコーディネーター養成スクールを経て独立。雑誌、CM、広告のスタイリング、フードコーディネート、飲食店へのメニュー提供、飲食コンサルティングを行う。
めざましTVのお仕事がきっかけで朝型のライフスタイルにめざめ、朝ごはんメニューの提案と朝の時間をもっとたのしみたい女子の朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催。
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