フードスタイリストの河合真由子です。
先月のことになりますが、鎌倉にある高級旅館を貸し切って撮影を行いました。
今回新規D2Cブランドのリリースにあたり、販促用のビジュアル撮影を弊社で承りました。撮影全体の企画コーディネートを請け負いました。
今回、ブランドのキーワードが高級旅館であったため、撮影場所として高級旅館をセレクト。また、ミールキットは自宅で手軽につくれるというのも大切です。そのため、旅館でのロケと、スタジオで再現する現代的な雰囲気での撮影、2パターンの撮影を企画提案しました。
また同じブランドの中でも3つのカテゴリーの商品ラインナップがあり、それぞれのイメージを差別化できるよう、最初にスタイリングイメージを定義づけした上で、それに沿った小物やお皿の準備等をすすめました。
今回、高級旅館をお借りしての撮影。やりなおしは極力避けたいため、当日の撮影をスムーズに運ぶようにいくつか工夫をしました。
1)ロケハン時のテスト撮影
通常、ロケの場合事前の現場確認は必須となります。特に今回は自然光での撮影を想定しており、そのため撮影する時間帯を想定し、その時間帯にどれぐらいの光がはいるのか、それを実際に確認しました。
また、人物が入る撮影も想定していたため、実際にテスト撮影をおこない、どういう画角になるのかを確認しました。
テスト撮影した写真を事前に撮影チームはもちろん、クライアントさまにも共有し、このままでいくのか、それともここからどうイメージに近づけるのか?について入念にチェックを重ねました。
2)現場で使用できる設備の確認
事前に旅館側から案内されている設備以外にも、例えば床材や備え付けの調度品、ふすまなど、イメージにあえば使用できるものもあります。
テーブルの中だけでなく、背景などをいれたシチュエーション撮影の場合、家具などもリースをし搬入することもありますが、できるだけコストはかけずに、現状あるもので(使用可能であるならば)撮影をすることもスムーズな撮影には必要です。またコストも相対的に抑えることができます。
今回、事前に座卓を借りる予定にしていましたが現地に設置されていたものでイメージがあったため借りることはしませんでした。
また反対にもともと、外の風景もいれる予定でしたが、冬場は植栽がなかなかイメージのものが自然に育成しておらず、植栽については、テスト撮影した上で、だいたいのイメージをつかみ、必要な分をリースしています。
撮影は準備が大方8割であると考えます。
当日にあれこれ悩む箇所はできるだけ必要最低限にし、事前に準備できる箇所は最大限準備しておくというのが弊社が考えるスムーズに進む料理撮影のポイントです。
そのためには特に以下の点を考慮に入れておく必要があります。
1)料理は経時変化をする
食材は時間経過とともに状態変化するもの。
時間経過を考慮して商品や食材の数を準備する。
2)自然光も経時変化する
自然光前提の撮影の場合、自然光が入る時間帯にあわせて撮影スケジュールを組む。
またどの時間帯の光が理想的なのか?も考慮しておく。
特に冬は日照時間が短いため、自然光で撮影できる時間が相対的に短くなることに注意する。
3)わたしの中のやわらかいはあなたにとってやわらかいではない
よく写真のテイストを表現するのにやわらかい感じと表現しますが、
私の中のやわらかいが相手にとっては決してそうではないことが多々あります。
撮影当日はできるだけ撮影業務に集中するために、事前にそのあたりの認識の違いをすりあわせしておくことが必要。
当日、想定外のオーダーをうけてしまうと、対応できなかったり、準備しておいた小物や家具などが無駄になってしまったりすることがあります。
そのためにも事前の撮影企画書やスタイリング提案書等でしっかりすりあわせをすることで撮影をスムーズに、イメージにちかい形で行う事が可能に。
今回撮影をお手伝いだいさせていただいたクライアントさまの商品は、まもなくリリースされるそうです。
商品がリリースされましたら、また改めて撮影の裏側について詳しくお伝えしたいとおもいます。
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Recipe of Lifeではこれまでに数多くの食品及び食品関連企業さま向けのカタログ、パンフレット、パッケージ、WEB、インスタグラム等の販促に関わる料理撮影のサポートに携わってまいりました。
生活者目線を大切に、商品やサービスの強みを発掘し食べたい、買いたいを伝えることを大切にしております。
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