フードスタイリスト&コンサルタントの河合真由子です。
気温も上昇し、東京の桜も週末あたり見頃でしょうか?
嬉しい時も落ち込んだときもちゃんと季節は巡ってくる。今週はちょっと早い週末雑感です。
年明けから延々と断捨離をおこなっています。物質的な断捨離はほぼ終了し、かなりすっきりした家になりました。次に着手したのが心の断捨離。もやもや悩む癖がありましたが、悩みだしたら、悩む時間を決めて真剣に悩み、その場で結論をだすことに。もちろん、決断しないことを決断することもまれにありますが。
そして目下進行中なのが欲の手離れ。物欲は実はかなり昔に置いてきました。物に対する執着はもはやなく、いつでも手放せる。そして、人間に対しても同様です。なぜなら物も人も本当に自分にとって必要な存在なら、またそれらは自分のもとに戻ってくることを知っているからです。
最も自分にとって手離れできていないのは、物事に対する執着。つまり、なんでも自分の意のままにコントロールしたいという厄介な欲です。
ですが、独立して、会社も設立して様々な「ままならないこと」を経験してきました。いまもなお、やはり「ままならないこと」に直面しています。そういうときは、意識して自分の肩のちからを抜くようにしています。そうすると、こだわる自分が滑稽におもえてきます。そして、ままならないことに対してはそのままを受け入れたほうが、自分も楽だなと気づきました。欲の手離れとともに楽に生きる知恵も身につけていきたいですね。
2011年の3月11日。
その時の私は上海から成都にむかう飛行機の中でした。
ちょうど、誕生日でもあったので、空港に向かう途中にある行きつけのカフェでカプチーノをテイクアウトした際に、店員さんのおごりでケーキをいただいた記憶が。
その後、成都の西藏飯店(チベット民族をモチーフにしたデザインホテルです。)にチェックインしてPCを立ち上げたら、日本にいる友人たちからたくさんメッセンジャーが届いていました。その頃、毎月のように東京にきていたので、心配した友人たちからのメールでした。その時、初めて日本で地震があったことを知り、ホテルの部屋でTVをつけ、目の前の景色にただただ唖然とするばかり・・・。全く気持ちの整理がつかないまま、一応出張の工程はすべて終わらせ、夜はまたホテルの部屋でひたすらBBCのニュース映像をみて過ごしました。
その後、出張から戻り、中国にいる日本人や、日本に留学したことのある中国人の知り合い達から、自分たちもなにかしたい!という相談をたくさん受けました。中国から日本へ募金という名目で個人が海外送金することは法律上できません。
ただ、赤十字を通して募金するというのがちょうどタイムリーに中国の赤十字のトップが資金を私的流用して問題になっていたその直後だったため、赤十字に募金するというのがどうも抵抗があったという背景もあったのですが、、結局のところは個別に海外送金はできないということ、また救援物資を送ることも税関の問題がクリアにならず難しいということで、赤十字に募金するという方法しかないよねという結論に至りましたが。
余談ですが、中国から救援物資としてペットボトルの水を送るのも税関の問題でクリアになりませんでした。(もともと日本から輸入してきたボルビックでしたが・・・)
その後は、中国から日本へわたり生活をしていたものの、地震が怖いため中国に帰国したいという中国の人たちの心のケアや、中国での生活のお世話など、中国にいながらも地震から波及するさまざまな問題に対応していました。
日本から1日おきに電話がかかってきて、2時間ずっと嗚咽する人のお話を聞きながら、自然と涙が流れてきたことも・・・ありましたね。自分自身が経験しなかった分、どこかやりきれない思いはたしかにあったとおもいます。
あの日々から10年たったなという実感は正直まだわきませんが、少なくとも一日一生。悔いのない人生を歩みたいとはおもいます。
雑誌VERYの記事で目にした、泉ピン子さんの名言。自分で稼いだお金を自分の好きなものに投じ、美容にもしっかりお金をかけてケアをしてきたからこその説得力ある、73歳にして背筋をピンと伸ばし、10cm以上はあるであろうヒールの靴をはいて、銀座の資生堂パーラーの前に立つ姿は、最高にかっこいいの一言!
こんな風にしっかり自分の生を全うする人がいるのだなという印象。自分の好きを追求して決して守りに入らない、だからこそこの歳でも背筋をピンと伸ばして立っていられる。女性にとっても「かっこいい」は最高の褒め言葉ですよね。
事実は一つ、でもそれをどうとらえどう生きていくかにおいてはわたしたちは自由だ。