フードスタイリストの河合真由子です。2019年は、
フードスタイリングを通じて、ビジュアルで企業の想いをつたえるプロフェッショナルとしての活動を強化していこうとおもっております。
レシピや料理、フードスタイリングで伝えることのほかに、日常的な仕事の場において、もっと的確に意思疎通をはかる方法ってなんだろう?と考えた際に頭にうかんだのが
「グラフィックファシリテーション」。この1月から全5回にわたる朝活で目下このグラファシについて勉強中です。今日はそんな学びをつうじて、わたしがおもう、物事を可視化することによってどんないいことがあるのか、をちょっとまとめてみたいとおもいます。
「伝えたい」けど「伝わらない」
昔、海外で働いていたときにこんなことがありました。
日本人同僚とのコミュニケーション。業務のやり取りを電話口で「これってこうでこうだよねー」と抽象的な言葉をつかって、お互いあうんの呼吸で意思疎通をはかっていたのですが、後日、アウトプットしたものをみてその同僚から怒りの電話が・・・彼いわく、こんなことを頼んじゃんないと・・・
もともと、海外で働いていたこともあり、多国籍の同僚たちとのコミュニケーションには細心の注意をはらっていただけに、日本人同士のコミュニケーションでトラブルが発生したことは、かなり衝撃的な出来事でした。
言葉が通じるはずの日本人同士でも、言葉で意思疎通が図れない・・・。この出来事は、いかに私達日本人が自分たちのおもいを抽象的にしか表現できていないかを知るとともに、言葉で伝えるコミュニケーションには、ある意味限界があると痛感した出来事でした。
可視化されるコミュニケーションの形
近年、ビジュアルで伝えることが注目を浴びています。インスタグラム上で多くのフォロワーをあつめることができれば、一躍スターダムになれる時代。ビジュアルが人に与える印象というのはとても大きいことは、インスタグラムの枠を越えて活躍するインスタグラマーをみれば一目瞭然かとおもいます。
また、PRやブランディングの場だけでなく、実際の日常的な仕事の上でもビジュアルで伝えることが注目されています。実際、ここ最近、大型の会議に参加すると、横で会議の議事録をリアルタイムでとるグラフィックレコーダーと呼ばれる人がいることがあります。また、今年にはいって、私自身がグラフィックファシリテーションに興味をもち、習える講座を探していましたが、どの講座もすぐに満席になってしまうぐらいの人気ぶり。今、私が通っているスクールでも、通っている人は、皆さん一般の会社員の方。皆さん一様に、日常の仕事の上での「伝えたいけど伝わらない」もどかしさを解決したく通っていらっしゃいます。
ビジュアルで伝えるメリットとは?
では、ビジュルで伝えるメリットってそもそもなんなのでしょうか?
わたしが考えるには大きくわけて3つあると思っています。
1)物事が共通認識化される
2)物事が整理される
3)物事を俯瞰してみることができる
1つ目は物事が共通認識されること。冒頭のエピソードのように、同じ物事をみたり言ったりしているようで意外と全然違うものを指していることが多いです。そんなコミュニケーションギャップを埋めるための手段として可視化することは有効です。また字面を追っていてはわからないことも、絵でみることによって一発で理解できるようになります。特に、言葉の通じない海外の人とのコミュニケーションにおいてはその効果は絶大かと。
2つ目は、物事が整理される。「結局、何が言いたいわけ?」とツッコミたくなるような話も、ビジュアルで可視化することによって、整理整頓することができます。会議の議事録などは、可視化することによってランダムにだされた意見やアイデアを、整理整頓することができ、次のアクションへも繋げやすいです。
ビジュアルに落とし込む作業で、インプット→整理する→アウトプットというプロセスを踏むことになるので自然と整理されるんですね。
3つ目は、物事を俯瞰してみることができること。長い文章を連ねて書き綴っても、主観だけが働き、物事を俯瞰することが難しい。その点、ビジュアルで可視化することによって、事象の全体像を静観してみることができるようになります。
視覚が人に与える影響が絶大に大きいことを考えれば、ビジュアルで伝えることでいろいろなもやもやは一気にふっとぶ感覚があります。特に来年オリンピックを迎えるにあたり、言葉を介さないコミュニケーションツールは、ますます脚光を浴びることになると予想されます。