Recipe of Life | フードスタイリスト、フードコーディネーター河合真由子 東京

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売れる料理撮影の法則

売れる料理撮影の法則

社内の撮影業務は、なぜうまくいかないのか ── 技術力では説明できない現場の盲点

社内で撮影業務を行う企業は少なくありません。ECサイトの商品写真、メニュー撮影、広報用ビジュアルなど、 撮影は日常業務の一部になっています。 それでも現場からよく聞こえてくるのは「修正が多い」「判断が割れる」「毎回ゼロから説明している気がする」といった声です。

すぐに検討したい方へ

※本記事は「サービス説明に入る前に、なぜ問題が起きるのかを整理する」ための読み物です。

技術力の問題にされやすい理由

撮影業務は専門性が高く、感覚的な領域に見えやすい仕事です。そのため、発注・管理する側からすると、評価や指示が難しい。 結果として「上手い人に任せれば解決する」「経験のある人を連れてくれば何とかなる」という判断になりやすくなります。

この考え方自体は、決して間違いではありません。ただ、実際の現場では「作る側の人を変えても問題が解決しない」 ケースが少なくありません。そこに、見落とされがちな盲点があります。

作る側の人を変えても、なぜ同じ問題が起きるのか

担当者を変えた。外注先を変えた。制作体制を見直した。それでも、修正回数が減らない/仕上がりへの不満が残る/疲弊感が変わらない。 もしこの状態が続いているとしたら、問題は個人の腕前だけではなく、仕事の進め方そのものにある可能性があります。

撮影は「当日がんばる」だけでは安定しません。なぜなら、撮影は準備段階で大部分が決まる仕事だからです。

見落とされがちな盲点 ── 撮影業務は「撮る作業」ではない

撮影業務というと、多くの人が当日の撮影作業(カメラ、照明、盛りつけ、アングル)を思い浮かべます。 もちろん重要ですが、トラブルの多くは撮影前の工程で起きています。

よくある「撮影前の未確定」が引き起こすこと

  • 撮影が始まってから「この写真、何に使うんでしたっけ?」という確認が入る
  • 撮り進めた途中で「やっぱり雰囲気を変えたい」と方向転換が起きる
  • 撮影後のチェックで「思っていたのと違う」と評価がひっくり返る

これらはすべて、撮影前に決まっていなかったことが後から噴き出している状態です。

こうなると、現場では「撮りながら考える」状態になります。 そして、修正で方向を合わせるしかなくなり、撮影業務が消耗戦になります。

プロは、撮影前に何をしているのか(具体例)

 

プロのカメラマンやフードスタイリスト(コーディネーター)が共通して重視しているのは、 高度な機材やテクニックの前に、判断を揃える準備です。 彼らは「技術の話より先に、判断の話」をします。

1. この写真は「誰に」何を伝えるのかを決める

例えば、同じ商品でも用途が違えば写真の最適解は変わります。 ECの商品ページで必要なのは「情報が伝わること」、ブランドビジュアルなら「世界観が伝わること」、 SNSなら「一瞬で目を止めること」。プロはまず、写真が担う役割を明確にします。

2. OKラインとNGライン(判断の幅)を言語化する

「正解を一つに決める」のではなく、「ここまでは許容できる」「ここから先は崩れる」という 判断の幅を共有します。 明るさ、情報量、余白、艶感、清潔感、温度感など、評価軸を少数に絞って合意しておくことで、 撮影中の迷いと手戻りが激減します。

3. 誰が最終判断するのかを先に決める

意外と見落とされがちなのが「決裁の設計」です。 撮影中に意見を言う人、撮影後に確認する人、最終的にOKを出す人。 ここが曖昧だと、後工程で評価がひっくり返り、修正が増えます。 プロの現場では、判断者と判断タイミングを先に確定させます。

4. 撮影中に迷わない状態をつくる(選べるようにしておく)

こうした準備が整うと、撮影中は「考える」より「選ぶ」作業になります。 これはOK/これはNG/方向性から外れていない。判断が速くなり、撮影全体のスピードと品質が安定します。 結果として、修正は減り、関係者全員の負担が軽くなります。

プロの仕事力の本質は、感性を排除することではなく、感性に依存しがちな領域を 仕事として扱える状態に整えることにあります。

なぜその仕事力が、社内では再現されにくいのか

社内の撮影業務では、判断基準が暗黙知になっていたり、責任の所在が曖昧だったり、感覚的な評価が共有されにくかったりします。 その結果、属人化が進み、担当者の負担が増え、撮影業務が「頑張る人に寄りかかる構造」になりやすい。

だからこそ、技術研修や機材投資の前に、まず「撮る前の仕事」を見直す余地があるかどうかを確認することが有効です。

社内の撮影業務を見直すための視点

技術力を補う前に、次の点をチェックしてみてください。

  • 撮影前に決めるべきこと(目的・用途・判断軸)が整理されているか
  • OK/NGの基準が言語化され、関係者で共有されているか
  • 作る側/確認する側/最終判断者の役割とタイミングが明確か

これらは特別なノウハウではありませんが、意識的に設計されていない現場は少なくありません。 逆に言えば、ここを整えるだけで撮影業務の“詰まり”が改善することがあります。

 

撮影内製化研修について

ここまで見てきた「プロの撮る前の仕事」を、企業の現場に合わせて整理し、 共通認識としてチームに実装するための支援として、撮影内製化研修を行っています。 目的は、個人の感覚に依存せず、判断・段取り・制作がスムーズに回る状態をつくることです。

事例を見る

実際にどのような背景で、どのような課題に対して、どのような変化が起きたのか。 事例は、導入検討の最初の材料になります。

 

お問い合わせ

「自社の場合、何が詰まりポイントになっているか整理したい」 「まずは現状を見てほしい」 など、初期の壁打ちからでもご相談ください。

© Recipe of Life / kawaimayuko

河合 真由子
Mayuko Kawai
フードスタイリスト / フードコンサルタント
岐阜県出身
大学卒業後、流通業界に就職。販促企画、VMDなどを経験。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。帰国後、フードコーディネーター養成スクールを経て独立。雑誌、CM、広告のスタイリング、フードコーディネート、飲食店へのメニュー提供、飲食コンサルティングを行う。
めざましTVのお仕事がきっかけで朝型のライフスタイルにめざめ、朝ごはんメニューの提案と朝の時間をもっとたのしみたい女子の朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催。
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