Recipe of Life | フードスタイリスト、フードコーディネーター河合真由子 東京

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メニュー開発

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飲食店の原価管理、利益を出すための  メニュー設計と原価率の考え方

飲食店の原価管理、利益を出すためのメニュー設計と原価率の考え方
「原価率を下げれば利益が出る」と考えている飲食店オーナーは少なくありません。しかし実際には、原価率を下げることだけに注力しても、利益が改善しないケースがほとんどです。

利益を出すには、原価率の管理と同時に「利益が出るメニューの設計」が必要です。この記事では、飲食業の原価率の基本から、現場で使えるメニュー設計の工夫まで解説します。

飲食業の原価率の基本

原価率とは、売上に対する食材原価の割合です。

原価率 = 食材原価 ÷ 売上 × 100

飲食業の一般的な原価率の目安は業態によって異なりますが、以下が参考値です。

業態原価率の目安
カフェ・喫茶25〜35%
ランチ業態30〜38%
居酒屋・ダイニングバー28〜35%
ファストフード30〜40%

FL比率という考え方

飲食業では原価率(Food cost)と人件費率(Labor cost)を合わせた「FL比率」が重要な指標です。FL比率は60%以下が利益を出すための目安とされています。

原価率を下げるために人件費が増えた、あるいは人件費を削ったために料理の品質が落ちて客離れが起きた——原価率だけを見ていると、こうした落とし穴にはまります。原価率と人件費を一体で管理することが重要です。

原価率だけ見ても利益は出ない理由

原価率が適正でも利益が出ないとき、問題はメニューの構成にあることがほとんどです。

売れているメニューが低利益メニューの場合

集客力のある看板メニューが、実は原価率が高く利益をほとんど生んでいないケースがあります。売上の構成——何が何杯・何皿売れているか——を把握せずに原価率だけを管理しても、利益は改善しません。

ロスが見えていない場合

仕込みすぎた食材・使い切れなかった食材のロスは、原価率を静かに押し上げます。廃棄ロスは「見えにくいコスト」として見落とされがちです。

オペレーションの複雑さが人件費を押し上げている場合

メニューが多すぎる・工程が複雑すぎるメニューは、調理時間と人件費を増やします。原価率が低くても、人件費が膨らめばFL比率は悪化します。

利益を出すメニュー設計の工夫

01

セットメニューで客単価を上げる

ケーキを単品で売るのではなく、ドリンクセットとして販売する。これは客単価を上げながら、お客様の選択コストも下げる設計です。

「ケーキ単品600円」より「ドリンク+ケーキセット950円」の方が、お客様にとっても「お得感がある」と感じやすい。追加注文のハードルが下がり、客単価が上がります。セットメニューの設計では「何と何を組み合わせると自然か」「追加注文しやすいのはどの組み合わせか」を意図的に設計することが重要です。

02

食材ロスをメニューの付加価値に変える

残り野菜をスープにしてランチのプラス一品として提供する。これは原価ゼロで客単価と満足度を同時に上げる設計です。

「本日のスープ付き」というランチの付加価値は、廃棄になるはずだった食材を収益に変えます。お客様にとっては「得した」体験、お店にとっては「ロス削減+客単価アップ」の一石二鳥の設計です。廃棄ロスを「どうメニューに転換するか」という視点を持つことで、原価構造が変わります。

03

同じ食材で複数メニューを展開する

1つの食材を何通りのメニューに使えるかを設計することが、原価管理の核心です。

たとえばバジルペーストを仕込めば、パスタソース・サンドイッチのスプレッド・スープのアクセント・ピザのベースに使えます。鶏のコンフィを仕込めば、メインディッシュ・サラダのトッピング・サンドイッチの具材に展開できます。

この「食材の使い回し設計」が実現すると、仕込みの工程が共通化され、ロスが減り、メニューの幅が広がり、オペレーションがシンプルになります。

04

OP単純化が原価と利益を安定させる

複雑なメニュー=工程が増える=調理時間が長くなる=人件費が上がる——という連鎖が利益を圧迫します。「メニューを絞る」「工程を共通化する」「仕込みで8割完成させる」というオペレーションの設計が、人件費を適正化し、品質を安定させ、利益構造を改善します。

特にカフェでは「品数を増やす=おいしそう」という誤解がありますが、品数が多いほどオペレーションは複雑になり、ロスも増えます。絞り込んだメニューを丁寧に設計する方が、原価率・人件費・顧客満足度のすべてにプラスに働きます。

コンセプトとメニュー設計が原価構造を決める

最終的に、原価管理は「数字の管理」ではなく「メニューの設計」の問題です。

誰に・何を・どう提供するかというコンセプトが決まって初めて、どのメニューを何品揃えるか・どの食材をどう使い回すか・どこで客単価を上げるかが設計できます。

CORE INSIGHT

コンセプトなきメニュー設計は、いくら原価率を管理しても利益構造が安定しません。メニューをコンセプトから設計し直すことが、持続的な利益改善への最短路です。


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河合 真由子
Mayuko Kawai
フードスタイリスト / フードコンサルタント
岐阜県出身
大学卒業後、流通業界に就職。販促企画、VMDなどを経験。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。帰国後、フードコーディネーター養成スクールを経て独立。雑誌、CM、広告のスタイリング、フードコーディネート、飲食店へのメニュー提供、飲食コンサルティングを行う。
めざましTVのお仕事がきっかけで朝型のライフスタイルにめざめ、朝ごはんメニューの提案と朝の時間をもっとたのしみたい女子の朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催。
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