昨年のお話になりますが、『SIZZLEのデザイン』という書籍の刊行記念イベントが開催されるというので参加してきました。
ふわとろとSIZZLEのデザイン
もともと、写真の『ふわとろ』という本をもっており、著者の大橋さんの視点がおもしろいなとおもっていた矢先、ふわとろの後に刊行された『SIZZLEのデザイン』では、広告の料理写真で著名なhue代表大手仁志氏とともに、言葉と、ビジュアルの双方の観点からSIZZLEの表現方法について書かれたことを知りました。そして、今回のイベントでは、著者であるお二方が、トークイベントに立たれるということで、これは!と思い、早速申し込みをしていってきました。
SIZZLE(シズル)とは?
SIZZLEとは、日本語ではシズルといいます。
食の業界になじみのない方にはピンとこないかもしれませんが、SIZZLEとは、おいしさを表現する感覚とでもいいましょうか・・・
五感を刺激しておいしさを伝える表現のことをいいます。
例えば、レストランに行った際に、まずメニューをみますよね?
その際に、メニューにある写真や、メニューのタイトル、メニューに添えられたリード文からおいしそうとかんじる、わぁこれ食べたい、或いはちょっとよだれが滴るような感覚になることありませんか?
そのわぁこれ食べたい
や
ちょっとよだれが滴るような感覚のことをSIZZLEといいます。
視覚の次においしさを訴求する方法とは?
おいしさを訴求する上でもっとも影響力が大きいのは、やはり、視覚です。
メニューの写真が飲食店の売上を左右するように、おいしさを伝えるうえで視覚が訴える影響力はもっとも大きいです。そして、その次においしさを伝える言葉(情報)によって、その食べ物を食べるか食べないか、おいしいかそうでないかを判断しているとのこと。
実際のところ、おいしいそうな食べ物を目にした際に、視線が及ぶのは、その食べ物が口にはいるまで。そこから先の食べるときの食感や、舌触りや喉越しや、どうおいしいのか、おいしさの感覚は言葉でないと伝えられない部分が多いとおもいます。
おいしい感覚を言葉で表現する
書籍「ふわとろ」によれば、おいしい感覚を言葉で表現する際の、言葉の種類は、主に味覚系、食感系、情報系の3つに分けられるとのこと。
味覚系は、甘い、辛いなどの具体的な味についてを表現する言葉からはじまり、風味豊か、香ばしいなど舌で味わうのと同時に、嗅覚にかかわる言葉もあったりします。
食感系は、舌触りのよい、もっとり、とろーりなど食べ物を口にしたときの感覚を言葉にしているパターン。実際にはそういった音はしないけれども感覚として伝える(いわゆる擬音語、擬態語)言葉もありますが、それもこちらのカテゴリーに入ります。
そして、最後は、「産直」「とれたて」「旬」など食材の産地や生産方法、調理方法などの言葉が情報系のおいしい感覚を伝える言葉として挙げられるとのこと。
プラスアルファの言葉でつたえるおいしさ
レシピ作成を仕事としている立場から感じるのは、どんなにいい(おいしい)レシピをつくっても、最終的にレシピのタイトル付け(飲食店におけるメニュー名)、そしてリード文(飲食店でいうメニュー名に添えられたちょっとした説明文)がよくないと、誰にもそのおいしさは伝わらないということ。
もちろん、それには誰に、どういう切り口で訴求するかも絡んできますが、伝えたい対象によって、おいしさを伝えるポイントも変われば、同時に言葉も変えなければならないと感じています。
普段何気なく生活をしていると、なんとなく目にする、耳にする、おいしい感覚を伝える言葉に誘導されるかのように料理を注文したり、買い物をしたりしていますが、今一度、その言葉が伝えたいおいしさの感覚とは?具体的に何を指し示すのか?立ち止まって考えるきっかけになりました。
ご紹介したふわとろの巻末には、「シズルワードの手引き」なるものがついており、おいしい感覚を表現する言葉とその言葉があらわす状態や、具体的な使用する状況について解説がされています。ご興味ありましたら、読んでみると、新たな発見もあるとおもいます。
フードスタイリスト
河合 真由子
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