Recipe of Life | フードスタイリスト、フードコーディネーター河合真由子 東京

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飲食店経営

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カフェ店長の仕事とは何か、開業後に押さえるべき役割・業務・チェックリスト

カフェ店長の仕事とは何か、開業後に押さえるべき役割・業務・チェックリスト
開業から数ヶ月が経ったとき、多くのオーナーが直面する問題があります。「店長に任せているのに、なぜか自分が現場に入り続けている」「店長が忙しそうなのに、売上が上がらない」「スタッフが定着しない原因が分からない」——これらはすべて、店長の役割が正しく定義されていないことから起きています。

この記事では、カフェ店長の役割と業務の全体像を整理し、オーナーが店長を正しく評価するためのチェックリストを提供します。

店長の定義:「ヒト・モノ・カネを使って店をよくする人」

店長とは何か。一言で言えば、「オーナーから経営資源(ヒト・モノ・カネ)を預かり、店の集客力と収益力を上げる管理者」です。ここで重要なのは「管理者」という位置づけです。店長は作業者ではありません。

料理を作ること、接客をすること、清掃をすること——これらは必要に応じてできる必要がありますが、それが店長の本来の仕事ではありません。

CORE INSIGHT

店長の本来の仕事は「見て・気づいて・直す」ことです。キッチンとホールの流れを観察し、問題を発見し、改善する。スタッフの動きを見て、育成の優先順位を判断する。数字を見て、次の手を考える。これが管理者としての店長の姿です。

管理の3領域と具体業務

店長が管理すべき領域は、カネ・モノ・ヒトの3つです。

カネの管理

売上・客単価の把握と分析、FL比率(原価率+人件費率)のコントロール、現金管理、予算策定と収支分析——「なんとなく売上が落ちた気がする」ではなく、「先週比でランチの客数が15%落ちている」と数字で把握できる状態が店長として必要なレベルです。

モノの管理

仕入れ先の確保・発注・在庫管理、食材の品質管理・衛生管理・設備管理。特に飲食業では生ものの回転設計が重要です。発注量と廃棄量のバランスを取りながら、原価率を適正に保つことが求められます。

ヒトの管理

採用・シフト作成・教育・マニュアル整備・モチベーション維持・チームビルディング——スタッフ一人ひとりの性格・スキル・コンディションを正確に把握し、適切な配置と育成ができることが店長の核心的な能力です。

現場品質の指標:QSCA

Q

Quality——料理・ドリンクの品質

S

Service——接客の品質

C

Cleanliness——清潔さ

A

Atmosphere——雰囲気・空間の心地よさ

できる店長の5条件

01

全オペレーションを自分で実行できる(やらないが、できる)

キッチン・ホール・清掃・レジすべてを自分でできる必要があります。「できないから指示できない」という状態では、スタッフから信頼されません。

02

スタッフ一人ひとりの性格とスキルを正確に把握している

「Aさんはランチのピークに強いが、初対面のお客様への声かけが苦手」というレベルで把握していることが理想です。この把握があって初めて、適切なシフトと育成が設計できます。

03

店舗運営の適正数値を理解している

客単価・原価率・人件費率・座席回転率——これらの適正値と現状値の差を常に把握していることが求められます。

04

財務数値を分析できる

売上の増減の原因を数字で説明できる。月次のP/Lを読んで、問題のある箇所を特定できる。この能力がない店長は、感覚で経営しているにすぎません。

05

経営者視点で考えられる

「自分がオーナーなら」という視点で店を見られる店長は、オーナーにとって最も価値ある存在です。コスト削減・新メニュー・集客施策を自発的に提案してくる店長は、店の成長を加速させます。

最大の落とし穴:「ワーカー化」

人手不足の店ほど起きやすいのが、店長がひとりの作業者として現場作業に没頭し、管理者としての視点を失う「ワーカー化」です。

ピーク時にキッチンに入り続ける。休憩が取れない。スタッフの教育に時間が取れない。数字を確認する時間がない——この状態が続くと、店長は「忙しいのに店が改善されない」という悪循環に陥ります。

対策

業務の脱属人化(マニュアル化・見える化)

情報共有の仕組み化

役職制度の導入による「店長ひとり体制」からの脱却

店長が本来いるべき場所は、キッチンの中でも、ホールの端でもありません。店全体が見渡せるポジションです。

リーダーシップの型:支配型から支援型へ

開業直後の新人スタッフが多い時期は、明確な指示を出す「支配型」のリーダーシップが機能します。しかし長期的には、スタッフの自主性を引き出す「支援型(サーバントリーダーシップ)」に移行する必要があります。

新人

ティーチング——やり方を具体的に教える

中堅

コーチング——問いかけによって自分で答えを出させる

悩みを抱えた人

カウンセリング——まず話を聞く

ミスが起きたときに「なぜそうなったか」を一緒に考える関わり方が、スタッフの気づきと成長を生みます。

オーナーのための店長評価チェックリスト

各項目を「◎できている/△要改善/×できていない」の3段階で評価してください。

カネの評価

◎△×

売上・客単価・FL比率を週次で把握しているか

◎△×

前週・前月比で数字の変化を説明できるか

◎△×

予算と実績の差異を自分で分析しているか

◎△×

廃棄ロスや仕入れコストの改善提案ができているか

◎△×

月次の収支をオーナーに報告できているか

モノの評価

◎△×

発注量と廃棄量のバランスが適正に保たれているか

◎△×

在庫管理が属人化せず、誰でも確認できる状態か

◎△×

設備のメンテナンスや不具合の早期発見ができているか

◎△×

食材の品質と衛生管理が徹底されているか

◎△×

仕入れ先との関係を自分で管理しているか

ヒトの評価

◎△×

スタッフ一人ひとりのスキルと課題を把握しているか

◎△×

シフトが公平かつ戦略的に組まれているか

◎△×

新人の育成スピードが適正か

◎△×

スタッフが辞めたい理由を事前に察知できているか

◎△×

チームの雰囲気を自分でつくれているか

QSCA(現場品質)の評価

◎△×

料理・ドリンクの品質が毎日一定水準を保っているか

◎△×

接客の品質がスタッフによってブレていないか

◎△×

開店前・閉店後の清掃が徹底されているか

◎△×

店の雰囲気(照明・音楽・香り)が意図通り保たれているか

◎△×

リピーターの数が増えているか

総合評価の判定基準(◎の数で判断)

◎が16以上:優秀な店長。権限委譲を検討できるレベル

◎が10〜15:標準的。強化すべき領域を絞って支援する

◎が9以下:要育成。役割の再定義とサポートが必要


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河合 真由子
Mayuko Kawai
フードスタイリスト / フードコンサルタント
岐阜県出身
大学卒業後、流通業界に就職。販促企画、VMDなどを経験。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。帰国後、フードコーディネーター養成スクールを経て独立。雑誌、CM、広告のスタイリング、フードコーディネート、飲食店へのメニュー提供、飲食コンサルティングを行う。
めざましTVのお仕事がきっかけで朝型のライフスタイルにめざめ、朝ごはんメニューの提案と朝の時間をもっとたのしみたい女子の朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催。
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