フードスタイリスト、コンサルタントの河合真由子です。
今週末はバレンタイン。チョコレートに興味がない人も、なんだかそわそわする(笑)季節かとおもいます。今日は、おすすめしたいチョコレートとともにチョコレートの新しい味わい方についてご紹介したいと思います。
カカオ豆からチョコレートになるまで一貫して製造をおこなうbean to bar chocolateというスタイルは2,000年代後半からアメリカからそのムーブメントがおこり、日本でも Minimal や、Dari-K、Green bean to bar chocolate など数多くのブランドでbean to barスタイルのチョコレートづくりが行われています。
bean to bar chocolateの特徴は、なんといっても原材料のカカオ豆の個性を感じられることにあります。カカオ豆の品種は大きく分けて希少なクリオロ種をはじめ、フォロステロ種、そしてトリニタリオ種の3つに分けられます。それぞれに香りや味わいに特徴があるのですが、市販されているチョコレート菓子では一般的にこれらの種類のチョコレートをブレンドしてつくられているため、品種ごとの個性を感じることはありません。
また、カカオ豆の産地によっても、その味わいは変わってきます。その土地の気候条件や土壌などによって特徴が際立つのがカカオ豆。この点はコーヒー豆にも通じるものがあります。
bean to bar スタイルのチョコレートでは、産地ごとのカカオ豆の味わいが際立つように、使われる原料はカカオ豆、砂糖、油脂(カカオバター)の3つのみ。余計なものをいれないことでカカオ豆本来の味わいを楽しむことができます。
また、bean to bar chocolateは産地支援という側面もあります。開発途上国ではカカオ豆の生産を収入の柱としている農家さんが多く、カカオ豆の品質向上のための技術支援とともに品質にみあった正当な対価で仕入れることでカカオ豆の品質全体を底上げするという取り組みをおこなっているメーカーも少なくありません。
bean to bar chocolateの製造は産地と作り手と消費者をつなぐキーワードにもなっています。
チョコレートづくりでは90年前から一貫してカカオ豆の厳選、製造販売を手掛ける明治からも、meiji THE chocolate と第した、カカオ豆の産地にこだわったブランドが展開されています。そのmeiiji THE chocolate シリーズから、チョコレートの香味をきめる産地・発酵・焙炒(ロースト)の違いを体感できる商品が発売されています。
産地は、希少なクリオロ種の中でもさらに希少なホワイトカカオが味わえる商品。(ホワイトだからといってホワイトチョコレートになるわけではなく、豆をローストしますので茶色のチョコレートです。)
発酵は、発酵の進み具合で香り、味わいの違いを比べられる商品。カカオ豆は発酵させることで、私達が普段食べている芳醇な香りと味わいのチョコレートができあがることがよくわかります。
焙炒は、カカオ豆の焙炒温度の違いで味わいの違いを比べられる商品。温度の高い、低いで味わいと香りの引き立ちがかわることがわかります。
箱は辞書のような形になっており、チョコレートの製造過程で行われる発酵や焙炒についての説明書きがあり、チョコレートができるまでを垣間見ながらチョコレートが味わえる仕組みになっています。
本を読んで知識を得るのとはまた違う、味わいながら美味しくてちょっとためになる知識がつまったこちらの商品。
数量、期間、販売経路限定で発売されていますので、こちらから是非チェックしてみてください。
余談ですが私が個人的に好きなのはイタリアのDomori社のチョコレート
厳選された希少なカカオ豆だけをつかい古くからbean to barスタイルでチョコレートを製造するメーカー。
カカオ豆の木を育てるところからはじめる製造スタイルも、原材料にカカオ豆、油脂、きび砂糖しか使わないスタイルもシンプルに良質なカカオを味わえるので昔からお気に入りのブランドです。
ケンズカフェ東京のガトーショコラも、Domori社のチョコレートを原材料につかっています。