Recipe of Life | フードスタイリスト、フードコーディネーター河合真由子 東京

MailMagazine CONTACT
MENU
CLOSE

COLUMN

COLUMN / アトリエ日記

ミールキットで叶える‘ギルトフリー’な食卓

フードスタイリスト、フーコンサルタントの河合真由子です。 さて、ここ数年じわじわと広がりつつあるミールキット。オリジナリティの高いサラダで有名なRF1や、OLさんなら一度は利用したことのあるディーンアンドデルーカでも発売され、潜在的ニーズもあいまってますます注目されています。 きょうはこの、ミールキットが広まりつつある社会背景について考えてみたいとおもいます。

手軽さとともに感じる「罪悪感」

スーパーやデパ地下の出来合いのお惣菜やコンビニのお弁当などは、毎日を忙しく過ごす私達にとっては本当に助かる存在。ところが、簡単に手軽に手に入る食事は便利な反面、なんとなく罪悪感を感じていることも事実です。 罪悪感の要因は主に2つ。 1つは、保存料などの添加物など、本来家庭で手作りすれば加える必要のない余計なものが入っていることに対する、なんとなくカラダに悪いことをしているかもしれないという「罪悪感」 2つめは、家庭の主婦に多いのですが、本来なら手作りをするべき料理を、出来合いのお惣菜など、買ってきたものですませてしまい、手抜きをしてしまったという「罪悪感」です。 1つめの要因は、こだわりの生産者さんからの仕入れや、無添加をうたう惣菜メーカーから購入することで(多少コストはかかるものの)解消できるようになってきていますが、2つめの手抜き感というのは、正直、既存の中食業態では満たすことができていませんでした。

忙しいときほど欲する「手作りの味」

私自身も、食に携わる人間でありながら、働く女性でもあります。本当に仕事が忙しいときは、スーパーに買い物にいく時間もとれず、冷蔵庫がからっぽのまま夜になってしまうこともあります。 ただ、忙しいときほど、「買ってきて、温めて、たべるだけ」の出来合いのお惣菜やコンビニのお弁当がとても味気なく感じてしまいます。 そんなときは、近くのコンビニに走って、コンビニのカット野菜や、サバ缶やサラダチキンなどを買い込んで、野菜炒めや、焼きうどんなど、簡単なものをささっとつくってしまいます。出来栄えは、華やかなデパ地下お惣菜にはかないませんが、手作りの味というのは、なんだかホッとして落ち着くものです。 また、少しでも手を加えることで、「ちゃんと食事をとった」という満足感も味わうことができます。 ものすごく矛盾しているようですが、忙しいときほど、手作りのものを食べたいというのが私達現代人の本音ではないでしょうか?

ひと手間は愛情の証

こうした背景から、面倒な調味料の計量や、食材購入のロスを省いたミールキットが広がりつつあります。 手間暇かけるということは、それだけその人やその物事に関心があり、価値を感じている証拠。 家庭で毎日食事をつくる主婦なら、ひと手間かけることで家族への関心や愛情を示すことができ、家族の絆が深まるきっかけに。また、一人暮らしであっても、ひと手間かけることで、自分自身をないがしろにせず、いたわることにつながります。 手軽なミールキットをつかうことで、罪悪感を感じることなく食(事)を体験することが実現できているのではないでしょうか?  
河合 真由子
Mayuko Kawai
フードスタイリスト / フードコンサルタント
岐阜県出身
大学卒業後、流通業界に就職。販促企画、VMDなどを経験。その後、海外で飲食店の出店支援やカフェの立ち上げに携わる。帰国後、フードコーディネーター養成スクールを経て独立。雑誌、CM、広告のスタイリング、フードコーディネート、飲食店へのメニュー提供、飲食コンサルティングを行う。
めざましTVのお仕事がきっかけで朝型のライフスタイルにめざめ、朝ごはんメニューの提案と朝の時間をもっとたのしみたい女子の朝活コミュニティ「とっておきの朝食会」を主催。
盛り付けレッスン 盛り付けレッスン